『韓非子』55篇は、中国古代の法家思想を伝える代表的な書物である。孔子や孟子の儒家思想が、正統思想として社会的政治的に表だって生きつづけたのに対して、老子や荘子の道家思想は、その裏面で人生についての深い思索をいざなうものとして生きてきた。法家思想はそれらに比べると、それほど有名ではない。しかし、中国の世界に初めて統一帝国をうちたてたあの秦の始皇帝の法律万能の思想こそ、この法家思想であった。そして、それは漢以後の儒教体制のもとで滅びたのではなく、むしろ実際的な側面で体制を支えるものとして、強く生きつづけたのである。
『韓非子』55篇は、中国古代の法家思想を伝える代表的な書物である。孔子や孟子の儒家思想が、正統思想として社会的政治的に表だって生きつづけたのに対して、老子や荘子の道家思想は、その裏面で人生についての深い思索をいざなうものとして生きてきた。法家思想はそれらに比べると、それほど有名ではない。しかし、中国の世界に初めて統一帝国をうちたてたあの秦の始皇帝の法律万能の思想こそ、この法家思想であった。そして、それは漢以後の儒教体制のもとで滅びたのではなく、むしろ実際的な側面で体制を支えるものとして、強く生きつづけたのである。
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